1998年(平成10年)10月以降に製造された新安全衝突基準に適合している軽自動車で、自然吸気エンジンを搭載した車両。新車時と異なる型式のエンジンに換装した車両の出走は公認車検の取得に関わらずすべて認めない。車検の有無は問わないが、車検を取得していない車両であっても以下の車両規則に従い、公道を走行できる状態と同等な仕様でなければならない。排気量は660cc以下とする。


■1-1:エンジン本体
純正部品の旋盤加工/溶接/研磨など機械加工は禁止。ピストンは純正スタンダードサイズに限り使用でき、排気量アップは認めない。カムシャフトなど部品の変更も同様で、同一エンジン型式の純正部品に限って使用を認める。またエンジンを載せ替える場合は、車検証上で同一型式(構造変更が必要ない場合)であれば気筒数に関係なく認められる。ブローバイガス還元装置のホースを吸気系から取り外す場合は排気量と同等以上の容量があるキャッチタンクを必ず取り付け、大気開放は禁止とする。

■1-2:フライホイールとプーリー
エキスパート :加工や変更を認める。
フレッシュマン:加工や変更を禁止する。

■1-3:エンジンマウント
エンジンマウントは市販品に限り変更を認める。ただしエンジンマウント位置の変更、エンジンマウント本体の加工は認められない。樹脂などを注入する程度の補強は認められる。

■1-4:ラジエーター関連
ラジエーター、サーモスタット、ラジエーターキャップ、ラジエーターホースの変更は認められる。水温計センサーを取り付けるための、ラジエーターホースへの加工も認める。ラジエーターファンを強制的に作動させる ON/OFFスイッチの装着もクラスを問わず可能。

■1-5:オイルクーラー関連
オイルクーラーの装着は認められるが、フィルターを移動する場合は安全な位置でなければならない。油温計や油圧計のセンサーを取り付ける加工、オイルパンの容量アップやバッフル加工も安全であれば認められる。

■1-6:バッテリー
バッテリー位置の変更は認められるが、重量に耐えうる台またはホルダーを使い、確実に固定すること。室内に移動する場合は、ドライバッテリーを除き金属板で隔壁しなければならない。容量および取り付けブラケットの変更も可能だが、ボディにアースされていない側の端子(+)は短絡を避けるため、確実な方法で絶縁すること。

■1-7:ECU
エキスパート

フルコンを含めて変更が認められる。

フレッシュマン
スピードリミッターカットを解除するための製品のみ使用できる。純正コンピューターの書き換えは認める。※電子スロット車両のスロットルコントローラーについてはクラスを問わず使用できる。

■1-8:点火系
ハイテンションコードやプラグの変更、アーシングなど点火系パーツの装着は認められる。同時点火への変更も可能。

■1-9:燃料系
燃料タンクの加工、コレクタータンクの装着、安全タンクへの変更はすべて認められない。インジェクター容量や燃料ポンプ吐出量の変更も不可とする。燃料は通常のガソリンスタンドで購入できる製品に限り、レースガスなどの使用は認めない。ガソリン添加剤は、市販品に限り使用できる。

■1-10:吸気系
エアクリーナーボックスやパイピングの変更が認められる。エアクリーナー本体は剥き出し、純正交換のどちらでも構わない。耐熱バンテージや導風板の装着も認められる。

■1-11:スロットルボディ
エキスパート
スロットルボディの加工や変更を認める。

フレッシュマン
スロットルボディの加工や流用を含む変更を認めない。

■1-12:排気系

エキスパート
排ガスや音量など保安基準に適合する範囲内であればマフラー/エキゾーストマニホールド/キャタライザーを自由に変更できる。ただし触媒は必ず装着すること。

フレッシュマン
排ガスや音量など保安基準に適合する範囲内であれば、マフラー(フロントパイプ/センターマフラー/リヤマフラー)に限って変更が認められる。触媒およびエキゾーストマニホールドは純正を使用し位置の変更や加工はすべて禁止。

※平成22年4月1日以降の車両は性能等確認済マフラー以外でも各クラスの基準に当てはまれば競技中のみ使用を認める。※メーカーは問わないが、Jworks製品を強く推奨する。

1-13:過給器の取り外し
過給器が付いた車両から過給器を外した、または同型式の自然吸気エンジンに載せ替えた車両での参加を認める。



■2-1:ブッシュ類

強化品への変更が認められる。ピロボールも使用できる。

■2-2:スプリング
自由長やレートの変更は自由だが、サーキットまでの往復を含む公道走行時は9cm以上の最低地上高が確保されており、縦方向に遊びがない状態でなけれならない。※レース中は最低地上高が9㎝以上である必要はない。

■2-3:ダンパー
倒立式や別タンク式を含めて、変更が認められる。材質は自由で、減衰力を室内から調整するコントローラーも使用できる。※メーカーは問わないが、CRUX製品を強く推奨する。

■2-4:サスペンションアームなどパーツの変更について
アームやアクスルの他車種からの流用は認められるが、切断や溶接などの加工を伴う改造はすべて不可とする。トラクションブラケットやリヤのキャンバープレート、調整シムはクラスを問わず使用できるが、確実な強度のある製品を使用すること。スタビライザーのない車両へスタビライザーを装着することは認められる。

エキスパート:アーム類のピロボールへの打ち替えが認められる。
フレッシュマン:アーム類のピロボールへの打ち替えは認められない。

■2-5:制動装置
ボルトオンで装着可能なブレーキパッド/ローター/ホース/キャリパー/マスターシリンダーなどの装着が許される。またバックプレートの取り外しは認められ、マスターバックの取り外しは認められない。※ドラムブレーキからディスクブレーキへ変更する際は、必ず公認車検を取得し書類を持参すること。



■3-1:クラッチ

ディスク/カバー/ホースの変更が認められる。

■3-2:トランスミッション
・エキスパート:ファイナルギヤを含め、変更が認められる。
・フレッシュマン:ファイナルギヤを含め、変更が認められない。

■3-3:ディファレンシャル
・エキスパート:機械式LSDの使用が認められる。
・フレッシュマン:機械式LSDの使用は認められない。

■3-4:駆動方式
・エキスパート :ベース車両の駆動方式を変更することができる。
・フレッシュマン:ベース車両の駆動方式を変更することはできない。

■3-5:ATからMTまたはMTからATへの換装
オートマチックからマニュアルへミッションを変更した車両、その逆の変更を行なった車両はクラスを問わず出走できる。ただしナンバー付き車両は必ず公認車検を取得しなければならない。エキスパートに限りマニュアルミッションの存在しない車両に同一メーカーのマニュアルミッションの換装を認めるが、主催者が安全性に難があると判断すれば出走を認めない。



4-1:タイヤ&ホイール
タイヤ&ホイールは下記の要件をすべて満たさなければならない。
A)タイヤサイズは自由だが、4輪は同一の銘柄、同一のサイズとする。
B)ホイールのオフセットは自由で、4輪とも同一である必要はない。
C)ホイールナットの材質および形状の変更は許される。
D)タイヤへの加工は認めない。※タイヤの加工は特に悪質な違反と見なす。
E)ホイールスペーサーはハブボルトに固定できるタイプのみ認める。
F)タイヤとホイールは いかなる場合も他の部分と接触してはいけない。
G)レース終了後を含み、スリップサインが出てはならない。
H)ホイールのバランスウェイトにはテーピングを施し、走行中に脱落しないように処置すること。
I)他車と接触したときのダメージを軽減するため、ロングタイプのホイールナットを先端がタイヤおよびホイールの最外縁部より飛び出してはならない。

4-2:使用タイヤ
全グレードのラジアルタイヤの使用が可能。




5-1:ボディ補強
ボルトオンの補強バーなどを取り付けることは認められるが、スポット増しを始め溶接などによるボディ補強はすべて禁止とする。

■5-2:ロールケージ
全クラス:6点式以上のロールゲージ装着を強く推奨する。

■5-3:モノコック
モノコックの変更および改造は認めない。

■5-4:軽量化
エキスパート:ボンネットとリヤゲート、後部ドアなどに軽量部品を使用できる。ただし後部ドアを交換する場合は十分な強度を確保して取り付けも確実な製品であると同時に、ナンバー付き車両は2名乗車で公認車検を受けるか、ナンバーを抹消した状態でなければならない。フレッシュマン:ボンネットやリヤゲートなど軽量部品を使用できるが、ドアをFRP製などに交換することは認められない。

・競技中は乗車定員に関わらず助手席や後部座席の取り外しが認められる。
・アンダーコートやフロントドア左右を除く内装取り外しは安全性に影響ない範囲で認められる。



■6-1:自動車登録番号標(ナンバープレート)
レース中のみ取り外しや変更が認められる。

■6-2:空力装置(エアロパーツ)
保安基準に抵触しない限り問題はないが、ボディ幅が軽自動車のサイズを超えるフェンダーなどは認められない。構造変更を行なったとしても禁止とする。

■6-3:ガラス
フロントガラスを変更する場合は、新車時に装着されていたものと同じ合わせガラスに限り認める。アクリルガラスの使用はフロント/サイド/リヤとも認められない。フロントおよびフロントサイドガラスへの塗装、色付きフィルムの貼り付けはすべて認められない。サイドおよびリヤガラスは保安基準に抵触せず、かつ視界の妨げとならない限り、色付きフィルムやステッカーの貼り付けを認める。

■6-4:ボンネットおよびリヤゲート
安全な範囲での変更および加工が認められる。裏骨の切断はリアゲートのみ認められる。FRPボンネットを装着する場合はボンネットピンなど確実な方法で固定すること。純正ボンネットでもボンネットピンの装着を推奨する。リヤゲートのダンパーはガスを抜くか、レース時に取り外すこと。FRPリヤゲートを装着する場合はフックなどを使い走行中や衝撃で開かないようにすること。

■6-5:ミラー
保安基準に抵触しない範囲で、室外ミラーの変更を認める。

■6-6:ドア
軽量ドアの装置、サイドドアビームの切断など加工はすべて認められない。純正サイドドアビームと同等以上の強度を確保したサイドバーを装着した場合のみ、純正サイドドアビームの切断や取り外しが認められる。

■6-7:牽引フック
牽引フックなどの速さや動力に関係ない部分は車検で失格にはならないが、強く装着を推奨する。

■6-8:灯火類
保安基準に抵触しない範囲での変更は認められる。



■7-1:エアコンおよびヒーター


エキスパート
エアコンおよびヒーターの取り外し可能。

フレッシュマン
エアコンおよびヒーターの取り外しは認められず、いかなる場合においても正常に作動しなければならない。エアコンベルトの取り外しも禁止する。

■7-2:補助メーター
電気式メーターに限り、追加メーターを装着することが認められる。ただし純正メーターは当初の機能を保持していなければならない。取り付け方法と位置に関しては、乗員の保護と視界の確保を考慮すること。

■7-3:座席
バケットシートへの変更を認める。 ただしシートを車体フレームへ直に取り付けることやスライド機構がないシートレールは認められない。また6点式以上のロールゲージ装着車両はレース中に運転席を除くシートを取り外すことができる。

■7-4:ステアリング
ステアリングボスを含め、保安基準に抵触しない範囲での変更が認められる。なおエアバッグ付き車両は レース中はエアバッグコンピューターのコネクターを外し、作動をキャンセルさせなければならない。

■7-5:シートベルト
4点式以上のシートベルトの装着を義務づける。 シートベルトは確実な方法で装着し、シートレールへの共締めは禁止する。 アイボルトを取り付けるネジ穴がない場合は 十分な強度が得られる部分に穴を開け、確実な方法でアイボルトを取り付けること。 シートベルトは3インチ以上の幅で 後部の取り付けも1カ所ではなく2カ所でベルトがシート背後で交差するタイプを強く推奨する。

■7-6:室内ミラー
純正ミラーに被せるタイプのミラーは、競技中に限り取り外すこと。

■7-7:車室内の軽量化
安全性や美観を損なわない範囲で、また他の車両規則に抵触しないことを前提に取り外しが認められる。

 



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